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聖闘士星矢 冥王ハーデス編

十二宮編(全13話)
冥界編(全12話)
エリシオン編(全6話)

OVA
監督 山内重保(十二宮編)
勝間田具治(冥界編以降)
シリーズ構成 横手美智子(十二宮編)
黒田洋介(冥界編以降)
キャラクターデザイン 荒木伸吾姫野美智
アニメーション制作 東映アニメーション
話数 全31話
コピーライト表記 ©車田正美集英社・東映アニメーション 
テンプレート使用方法 ノート

聖闘士星矢 冥王ハーデス編』(セイントセイヤ めいおうハーデスへん)は、車田正美の漫画作品『聖闘士星矢』の最終エピソード「ハーデス編」のアニメ版として発売されたOVA作品。

本項では以下の作品群について解説する。

  • 聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』(-じゅうにきゅうへん)
  • 聖闘士星矢 冥王ハーデス冥界編』(-めいかいへん)
  • 聖闘士星矢 冥王ハーデスエリシオン編』(-エリシオンへん)

概要[]

原作は車田正美の漫画作品『聖闘士星矢』。1986年から放送されたテレビアニメでは原作の展開にそいつつ、オリジナル要素も盛り込み「海皇ポセイドン編」まで展開したが、原作最終章である「冥王ハーデス編」が残され終了した。そのために連載直後の時点でハーデス編のオリジナルビデオアニメーション(OVA)化計画が始動し、『星矢』の最終回が掲載された1990年の「ブイジャンプ」創刊号でOVA化が発表された。しかし当時はOVA市場が低迷していたことなどが理由で、計画は一時頓挫。その後も依然として関係者間でアニメ化を希望する声が根強く、21世紀に入った後、『星矢』と同じ車田作品である『リングにかけろ2』のヒットや、「聖闘士星矢大全」などの関連書籍の発行が好評を得たことが追い風となって計画が再始動し、2003年よりOVA化が実現することとなった[1]

OVAシリーズ第1作「十二宮編」では、DVD発売に先駆けてスカイパーフェクTV!で先行放映され、以降のシリーズ展開でもDVDとペイ・パー・ビューでの両面展開が基本となった[1][2]

作品コンセプトは、「ポセイドン編」で完結したテレビシリーズの続編ではなく、原作の「ハーデス編」をアニメ化した新シリーズとなった。ストーリー展開も基本的には原作に準じているが、テレビシリーズの設定も極力尊重し、先行放映直前にはテレビシリーズのファンへの配慮として、テレビシリーズの総集編が放映された。この総集編は、DVDでは「十二宮編」第1巻に特典映像として収録されている[1][3]

各編解説[]

※各編のあらすじは、聖闘士星矢#冥王ハーデスの章を参照。

十二宮編[]

ハーデス編エピソードの序盤「十二宮編」をOVA化。全13話。2002年11月9日からスカイパーフェクTV!で先行放映が行なわれた。翌年の2003年にDVDが発売され、第1巻の初回分のみで3万枚以上の出荷という異例の大ヒットを記録した[1]。DVD全7巻の発売後、総集編として十二宮編のメインキャラクターである黄金聖闘士たちの活躍場面を再編集したDVD『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編 よみがえりし黄金聖闘士たちの神話』前編、後編が発売された。

原作との最大の違いは、星矢たちが絡むオリジナルのエピソードが多数用意されたことであり、これは原作のハーデス編序盤で主人公の星矢たちがほとんど絡まないことについて、せっかくの『星矢』のアニメ化なので星矢たち主人公陣の見せ場も欲しいとの意向によるものである[1]。また、原作時点で白銀聖闘士がハーデス軍の刺客として登場する構想があったことをもとに、オリジナルエピソードでの星矢たちの戦闘場面の相手として白銀聖闘士が登場する場面も盛り込まれた[4]。作品の舞台となる聖域の十二宮は、テレビシリーズよりも原作に近いイメージに設定が改められた[5]

グラビアアイドルの佐藤江梨子、以前より車田と親交のあったプロレスラーの高山善廣が声優を担当したことも大きな話題を呼んだ[1]

2007年2月1日にPS2でゲーム化されたが、キャストが「冥界編」と同じという形になった。

冥界編[]

「十二宮編」の続編シリーズ第2弾・第3弾として、ハーデス編エピソードのうちの、中盤に当たる冥界突入から嘆きの壁破壊までの「冥界編」をOVA化。『聖闘士星矢』生誕20周年記念作品でもある[2]。今作より、主役陣6人を含む多くのキャラクターの担当声優が一新されたことも話題となった(後述)。一輝が冥界に降り立つまでの「前章」、それ以降の「後章」から構成される。アニマックスPPVプレミアパーフェクト・チョイスで「前章」が2005年12月17日から、「後章」が翌年の2006年12月15日から先行放送され、各章とも先行放映翌年からDVDが発売された。クライマックスの黄金聖闘士12人全員集結の場面では、アイオロス役の屋良有作が実に19年ぶりの『星矢』への参加となった[2]

シリーズ構成を担当した黒田洋介はこの冥界編について、冥界に堕ちた罪深い人間たちのや、罪人たちが責苦を受ける地獄の恐ろしさを聖闘士たちの目を通して描くことと、そうした人間たちの弱さを知りつつ強敵に立ち向かっていく星矢たちの活躍を描くこととが基本テーマと語っている[6]

エリシオン編[]

シリーズ第4弾完結編として、ハーデス編エピソードのうちの最終エピソード「エリシオン編」をOVA化。かねてより要望のあった『聖闘士星矢』の原作全編アニメ化を補完する形で、2008年に全6話で発売された。第2話序盤までは、嘆きの壁の撃破直後からパンドラの真実の告白までにかけてのエピソードであり、最終決戦地エリシオンでのエピソードは第2話の中盤以降となる。

発売前にハーデス編の前シリーズと同様、2008年3月7日からパーフェクト・チョイスで先行放送され、スーパージャンプ誌上でも冒頭部分が袋とじのフィルムコミックスとして掲載された。前作「冥界編」に引き続き、星矢達主要キャラクターの声優は二代目の森田成一らが務め物語を完結させた。

声優交代の波紋[]

冥界編制作時に、星矢役を古谷徹から森田成一へ変更するなど、主役陣6人を含んだ多くのキャラクターが一度に、若手声優(1970年代生まれ中心)へ変更された。この突然の交代はファンの間で騒動となった。

前作「十二宮編」および劇場版「天界編」において、長いブランクによるオリジナルキャストの声質の変化を感じた原作者の車田は、星矢役の古谷徹を残して、それ以外の声の変化が著しい出演者数名の交代を求めた。しかし、古谷が長年のチームワークを優先し自分だけ残ることを善しとせず拒んだためにやむなく全員交代になったという。

2005年8月10日発売の「スーパージャンプ」誌において新声優が発表になる旨が記載され、その後9月19日に東映公式サイトで声優の交代が正式に発表された。しかし、声優の全面的交代に反発するファンの一部から、関連企業、古谷徹のサイトの電子掲示板にメッセージが国内外から連日寄せられた。古谷のサイトには、原作者へ向けて、さらにはファン同士の辛らつな誹謗中傷なども多数集まり、ファンとの交流のために定期的に行っていたチャットが中止になるアクシデントも生じた。なお、古谷の公式サイトからは現在、掲示板もチャットも撤去された。

こうしたネットにおける一部ファンの抗議の声の高まりに対して、10月23日に至り原作者側(車田プロ)は変更の理由を公式サイトで告知文を発表(マネージャーの実名入り。1ヶ月程度の期間限定での公開)。主にオリジナルキャスト陣の声変わりが理由であると説明した。キャストのみならずベテランの製作スタッフも数多く降板になっており、DVDの販売元も旧TVシリーズ以来のバンダイビジュアルからエイベックスへと変更される。

現在では紫龍役の鈴置洋孝をはじめ主要キャストの数名が故人で、今後新たにゲームやOVAが出るとしてもオリジナルキャストを使うことはライブラリー出演を除けばほぼ不可能である。

登場人物[]

詳細は各リンク先を参照。

  • ナレーション:田中秀幸

スタッフ[]

  • 原作:車田正美
  • 企画:櫻田博之(冥界編まで)、鷲田正一(冥界編)、小原康平(エリシオン編)
  • 企画協力:岡田忠博(エリシオン編)、森下誠(エリシオン編)
  • シリーズ構成:横手美智子(十二宮編)、黒田洋介(冥界編以降)
  • 音楽:横山菁児
  • 製作担当:清水洋一(十二宮編)、松坂一光(冥界編以降)
  • CGディレクター:川瀬康大
  • デジタル撮影:福田岳志
  • 美術デザイン:飯島由樹子(十二宮編)、行信三(冥界編まで)、秋山健太郎(エリシオン編)
  • 色彩設計:辻田邦夫
  • キャラクターデザイン:荒木伸吾姫野美智
  • 総作画監督:荒木伸吾、姫野美智(冥界編以降)
  • シリーズディレクター:山内重保(十二宮編)、勝間田具治(冥界編以降)
  • 制作:東映アニメーション

主題歌[]

オープニングテーマ  
  • 「地球ぎ」(十二宮編)
作詞 - 松澤由美 / 作曲 - 松澤由美、高井麗 / 編曲 - Yumimania、西田マサラ / 歌 - まつざわゆみ
  • 「女神の戦士〜Pegasus Forever〜」(冥界編以降)
作詞 - 車田正美、松尾康冶 / 作曲 - Kacky / 編曲 - Kacky&大石憲一郎 / 歌 - Marina del ray
エンディングテーマ 
  • 「君と同じ青空」(十二宮編)
作詞 - 松澤由美 / 作曲 - 松澤由美、高井麗 / 編曲 - Yumimania、西田マサラ / 歌 - まつざわゆみ
  • 「託す者へ〜My Dear〜」(冥界編)
作詞 - 車田正美、松尾康冶 / 作曲 - Kacky / 編曲 - 大石憲一郎&Kacky / 歌 - まつざわゆみ
  • 「神の園〜Del regno〜」(エリシオン編)
作詞 - 車田正美、松尾康冶 / 作曲 - 車田正美、Kacky / 編曲 - 大石憲一郎&Kacky / 歌:石橋優子

各話リスト[]

十二宮編
話数 サブタイトル 脚本 演出 作画監督
1 新たなる聖戦のはじまり 横手美智子 山内重保 荒木伸吾
姫野美智
2 慟哭の三人 伊藤尚往 井上栄作
3 蠢く者の影 長峯達也 千葉道徳
4 半神の贖罪 藤井文弥 清水淳児 石川晋吾
5 かりそめの再会 横手美智子 佐々木憲世 井上栄作
6 古の闘士 藤井文弥 細田雅弘 羽山淳一
7 黒き衣の群れ 横手美智子 伊藤尚往 飯島弘也
8 逡巡の刻 藤井文弥 長峯達也 本橋秀之
9 矜持の果て 山内重保 井上栄作
10 金色の激突 細田雅弘 羽山淳一
11 震撼の聖域 横手美智子 長峯達也 千葉道徳
12 女神の聖衣 藤井文弥 佐々木憲世
山内重保
茅野京子
13 決意の朝 横手美智子 山内重保 姫野美智
冥界編 前章
話数 サブタイトル 脚本 演出 作画監督
1 渡れ! アケローンの河 黒田洋介 勝間田具治 茅野京子
2 静かなる法廷 佐々木憲世 市川慶一
3 伝説の聖闘士オルフェ 勝間田具治 茅野京子
4 オルフェ 悲しき鎮魂歌 信田ユウ 市川慶一
5 ハーデス! 驚愕の憑依 勝間田具治 茅野京子
6 激闘! ジュデッカへの道 千葉道徳
冥界編 後章
話数 サブタイトル 脚本 演出 作画監督
1 神罰! グレイテスト・エクリップス 黒田洋介 勝間田具治 姫野美智
2 一輝! 慟哭の拳 茅野京子
3 女神! その命をかけて 西沢信孝 市川慶一
4 絶望! 嘆きの壁 佐々木憲世 姫野美智
5 集結! 黄金聖衣 勝間田具治 茅野京子
6 さらば! 黄金の聖闘士 西沢信孝 姫野美智
エリシオン編
話数 サブタイトル 脚本 演出 作画監督
1 エリシオンへの死闘 黒田洋介 勝間田具治 姫野美智
2 死と眠りの神々 茅野京子
3 黄金の援軍 西沢信孝 市川慶一
4 伝説の神聖衣 勝間田具治 茅野京子
姫野美智
5 神話よりの覚醒 西沢信孝 市川慶一
6 光あふれる世界へ 勝間田具治 茅野京子
姫野美智

脚注[]

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 鈴木晴彦編 「ANALYSIS STAGE」『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』 集英社、2003年、14-19頁。ISBN 978-4-08-782056-0
  2. 2.0 2.1 2.2 タルカス編 『聖闘士聖衣大全』 ワールドフォトプレス〈ワールド・ムック〉、2008年、117頁。ISBN 978-4-8465-2737-2
  3. DVD『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』 第1巻ブックレットより。
  4. DVD『聖闘士星矢 冥王ハーデス十二宮編』 第2巻ブックレットより。
  5. 車田正美 『聖闘士星矢 聖域十二宮編』5、集英社〈集英社ジャンプリミックス〉、2002年、185頁。ISBN 978-4-08-106297-3
  6. DVD『聖闘士星矢 冥王ハーデス冥界編 前章』第3巻特典映像「スペシャルインタビュー」より。

外部リンク[]

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